ドリィム<br>




























あたしは「幼なじみ」という4文字が大嫌いです。









































りんご日記 ACT.1 〜種〜






























「結婚?」






「そうッ!やっぱり結婚となると抱擁力のある人が良いよねッ!あんた無さげだけど」




「ってゆうか・・・と結婚とか。ありえない」




「何よっっ!!ンなもんわかんないでしょー!!」


























ある晴れた日。あたしとレゴラスは、二人で近くの湖まで来ていた。








そうしてあたしと彼がこんなに仲良くなったのかは、よくわかんないけど


きっと彼の変に冷めた性格だとか、一匹狼なところが、あたしとよく合ったんだと思う。




















あたしは彼をとても好きだったし、一緒にいて、すごく楽しかった。




































「レゴラスは・・やっぱ結婚とかすんの?」




「んーってか僕も一応 王の息子だしね」




「あー跡継ぎかぁ」




「きっとその内、嫌でも見合いでもどっかのいいとこのエルフとさせられるよ」




「やだねー!好きでもないのにヤらなきゃだめとか!!」




「・・。そんな露骨に言わない」




「だってぇー」




「それに、子供が出来たら生まれる愛もあるかもよ?」




「ありえない!!!」




「やっぱり?」
























レゴラスはそう言って笑ったけど、ホントのとこどう思ってるかはわからなかった。




































































「ちょっと!!!聞いた?あのレゴラス様の噂!!」










朝早く。親友のが部屋に走り込んでくるなりそう叫んだ。
















「はぁ??噂・・?レゴラスの?」




「そう!!!さっきね、あのレゴラス様とりまき軍団の女共がキーキーゆってたのよ!」




「だから何を」




「レゴラス様、もう心に決めた女性がいらっしゃるんだって!!!」
































ーその言葉を聞いたとたん、あたしの心に、不安と自惚れが同時に走った。
































「ねぇ!!絶対それの事だと思わない!?あんた以外、他に仲良い女っている!?」



「ん、んな訳ないじゃん!!あたしな訳ないよ!!」














否定はしたけど。 ちょっとはそうかもって思ってた。
































「ねぇ〜〜〜あんたもしかして王子の花嫁候補なのかもよ〜〜!!きゃー!」




「やめてよ、違うってば絶対!」




























あたしはをそう咎めながら、高鳴る気持ちを止めるので大変だった。








































































さん?ちょっとよろしいかしら」




















その日の昼。も話していた「レゴラス様とりまき軍団」があたしを珍しく呼び止めた。




















「・・・・何でしょう?」







やな予感、と思いながらあたしは静かに応えた。



















「ちょっと聞かせていただくけれど、貴女とレゴラス王子の関係って、「幼なじみ」って事でいいのかしら?」




「はぁ?」











強気に出ても無駄だと思っていたが、あたしの嫌いな4文字を出されたものだから、ついムッとする。
















「違うっつったら?」




「あら、違う訳ないじゃない、貴女なんて所詮人間で、あたし達みたいに位あるエルフでもないのに。彼とつり合うはずがないわ」








「人間」という言葉であたしは更にムッとする。彼がエルフの王子である限り、あたしが人間である事は大分コンプレックスなのだ。










「じゃーなんであたしにわざわざ喧嘩売りに来たのさ」





「それはっ・・・レゴラス様が・・「心に決めた方がいる」っておっしゃるから・・」










「・・・・・やっぱり・・あたしだと思う?」












あたしが瞬間そう言うと、とりまき軍団はカッと赤くなり、次々に「違うわよ!!」と叫び始めた。












































・・・やっぱり皆・・・・あたしだと思うんだ・・・・・












































あたしはそう考えただけで、口の両端をニヤリと持ち上げてしまった。












































































、今から散歩行かない?」




















夜何時頃だったろうか。その夜、レゴラスはあたしの部屋を訪ねてそう言った。
















「え!??散歩っ?今から!?」




「あぁごめん、悪かった?もう遅いもんな」





「いやっ違うの!行く!待って上着とってくるから!」












”あったかくして行きな”とレゴラスはいつもより優しくそう言った。




































外に出ると、もう風がヒンヤリ冷たくて、少し肌寒かった。














空には、満点の星が見えて、ああ、レゴラスはだから散歩に誘ったんだとすぐにわかった。






































「うっわ〜〜〜・・!!ホントすっっっごい星キレー・・!!」






「でしょ?どうしてもに見せたかったんだ」






























レゴラスがそう優しく微笑んだから、あたしは何となく凝視できなくて黙った。








































もし今、あたしが「心に決めたヒトって誰?」って聞いたら、レゴラスどう言うだろう。


















あたしの頭にはそれだけしかなかった。














期待と、自惚れと、これからの未来と。





































それしかなかった。だから聞いた。



















































「・・・ねぇ」




「ん?」




「・・・今日ね、レゴラスに・・・心に決めた女性がいるって・・聞いた」
















彼の顔は見えなかった。ただ暗くて、曇ってるように・・・みえただけだった。




























「心に決めた、大事な人がいるって・・・・そ、それって・・」




































この時。もしあたしが彼の顔をちゃんと見ていたら。












もし、ちゃんと彼の気持ちを察していたら。




















きっと続きは言わなかっただろう・・。




















でも、絶対彼は「あたしだ」って、答えてくれると思った。絶対、思った。
































それくらい、自惚れてた。




































「それって、あた・・し?それとも・・・」




には」











































には・・関係ない、人だよ・・」
























































その時初めて、彼の顔を見上げた。
































レゴラスは、見たことないくらい・・・・・困ってた。


























































「冷えてきたね・・・そろそろ、戻ろうか」




















つとめて優しくそう言った彼に、あたしは静かに頷いて、少し二人離れて 歩いて帰った。
































人生最大の失敗だ、
















本気でそう思った。

































りんご日記 〜種〜 終わり




























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