ドリィム<br>











りんご日記 ACT.2 〜つぼみ〜




























「お見合いする事になった」



「・・・・あん?」























" お見合いする事になった "・・・そう、レゴラスがあたしにいきなり告げて来たのは、

あたしが彼にフラれて、ちょうど2週間くらい経った時だった。
























「お見合いぃ??レゴラスがぁ?誰と」


「や、よく知らない。どっかのエルフの女の人」



「・・・・え、それって・・さ」



「?何」



「その・・その、例の・・心に決めたヒト・・ってやつ?」




「・・・・・ははっ何でさ。心決めたヒトがどっかの知らないエルフの女なの」



「あっ・・そっか。・・・・・んじゃ、お父上に無理矢理させられるってこと?」



「正解。無理矢理だよ・・軽くウザイ。ホントに」



「うわ率直・・いつ?」



「明日だって。」




「美人かねぇ」



「さー・・エルフは大抵美人だし。人間と違って」



「・・・・それ誰を例に挙げて話してんのソレ」



「決っっっっしてじゃないから大丈夫だよッ(爽やか笑顔)」



「その言い回しがすんげぇムカツクんですけど!!!!!」




あたしがそう、怒って言うと 、レゴラスも笑った。






































そりゃ最初は気まずかったし、あんまり話さなかったけど(あたしからは)、

2週間も経ったちゃうと、もう今まで通りになってきた。










「時間が解決してくれる」っちゅうのは、まんざら全ての事に対しても、嘘じゃないのかもしれない。












それでもやっぱり彼は今までより少し優しくて(あれでも)、 絶ッッ対にあたしが告白した話題は、口に出さなかった。










レゴラスの事だから、もし今まで通りの普通の仲になったら あたしが告白した事を 弱みとして一生言い続けると思ったのに。


































それが切なくて、少しぎこちなくて、・・・・・寂しかった。
























































!!!!レゴ王子お見合いすんだって!!???」




その日の夕方、はあたしの部屋に駆け込むなりそう言った。








「・・・・・・さぁーすがエルフは噂回るの早いね。あたしがまだ人間の村にいた時なんて、情報交換貧しかったよ〜〜?

隣の家のおばさんが死んだ時だって、あたし知ったの一週間後だったんだから!」




「ど〜〜〜〜〜でもいいよそんなこと!!(ってゆうかそれが世間知らずなだけだろ)

どぉすんのよぉ〜〜〜〜!!!お見合いだじょ!?結婚だじょ!?一生もんだじょーーーー!!?」




「・・・そうだけどぉ (だじょだじょ・・何キャラよ)」



「 「そぉだけどぉ〜」でなくて!!!!どーすんのよ!相手が超美人でヤバ家庭的で性格も菩薩のようなヒトだったら!!」




「・・・だってどぉしよぉもないじゃん。あたしフラれてるし」



「・・・・フラ・・?・れ、たの?アンタ」




「・・・・・・うん」















は硬直したまま、あたしの顔をじっと見つめている。




















「・・・アハ、やめてよ、そんな、別にあたし付き合ってた訳でもないし大したこと無いよ」



「え?!あ、ごめ・・・でも・・なんか・・・さ、なんか・・・・・切なくって・・」




























の表情はすごく、すごく、沈んでた。




何であたしがを慰めてんだろう??と思いながらも、「大丈夫だよ」と囁きながら彼女の背中を撫でた。




































他人が見ても切なくなるほど
















あたしは彼に、「恋」をしていたんだ・・・

















































「レゴラス!」




「あぁ、。何、どしたの」



「お父上が顔面ソーハクで探してらしたよ〜!!お見合い、今日なんでしょう?早く行きなよ」










次の日。あたしは木の幹にもたれかかりながら本を読んでいるレゴラスを見つけ、駆け寄ってそう言った。







「・・・もうそんな時間か・・ダル・・」



「そんな事言ってないで、ホラ、」





あたしはレゴラスの、細い腕を引っ張り、変にニコニコしながら立ち上がらせた。






「・・・じゃあ行ってくる、じゃね、




レゴラスはそう笑顔で言うと、後ろも振り向かずにスタスタと行ってしまった。




































「待って」だとか「行かないで」なんて全然思わなかった。












ただ、レゴラスがダルそうだったのが 面倒くさそうだった事が、ただあたしを安心させた。




























レゴラスが行ってしまって、あたしは一人でのとこにでも行こうかな、と思いながら歩いていると、

木の向こうに客人らしきエルフの団体がぞろぞろ歩いてくるのが見えた。








お見合い相手だ、・・・って、すぐ思った。















あたしは遠目で、白いドレスを身につけた若い女の人を目で追いながら

あのヒトか・・と思いながら泣きそうになった。




























「あのヒトもフラれるんだ」
















あたしと、同じ思いを あのヒトもきっとするんだ。




















だから可哀想だな なんて事を思うほどあたしは良い子じゃない。
















「ざまぁみろ。」












・・・・そんな醜い心で、あたしはその明らかにあたしより大人っぽくて、綺麗な女の人を見ていた。












涙には、冷たさも 熱さも 感じられなかった。




































、ここにいたんだ」








2時間くらい経った後だったろうか。



レゴラスは森の中にある小さな湖で、バシャバシャ足をつからせていたあたしを見つけるなりそう言った。







「レゴラス!お見合い終わったの?」


「ん、終わった。死ぬほど疲れた」








レゴラスがそう良いながら髪を掻き上げる。




あたしは思わずホッとした表情で、


「そぉ・・・」と言うと、レゴラスも笑って隣に座った。












「綺麗なヒトだったよ、優しくて、大人しくて」




「フゥーーン・・・・・あたしも、チラッと見たけど」



「あぁ、見たんだ。真面目そうなヒトだったよ」



「・・・何か、奥さんにするには、持ってこい!って感じだった」



「アハハ、そうそう、そんな感じ。理想の奥さん像をそのまま形にしたような人」



「・・・あの人が一生レゴラスといたら、きっとノイローゼで死ぬよ」




「あー死ぬかもね」



「あんたテキトーだしね。すべての事に対して」



程じゃないけどね」



「あたしは真面目だろぉが!!」



「どーだか」



「あたしが一途な事も知ってるくせに!!!!!」




「・・・





























あたしが、「しまった!」って顔でレゴラスの顔を見たと同時に、彼はあたしの名前を呟くように呼んだ。




















・・・ごめん、今まで」




「・・・・謝るな」



「・・・の気持ち、嬉しかったんだ」



「・・・・そんな取って付けたようなセリフあたし嬉しくない」



「・・・ホントに、嬉しかったんだ・・僕だって、の事好・・」



「ホントの「好き」でもないならそんな事言わないでよ!!!聞かせないでよ!!!!」

























あたしは勢いづいてそう叫んだ後に、また「しまった・・」と顔を俯かせた。




レゴラスもただ、俯いて黙っている。
























「・・・気付いてたんだよね・・好きだってこと」



「・・・うん」




「ずっと?」



「・・・うん・・」




「ごめんね、言わなきゃ良かったね・・好きだなんて」




「そんなことない」



「でもレゴラス困ってるじゃん」



「困ってなんか・・・あるけど・・・・・ごめん」



「・・・あたしどうしよう」




「・・・・え?」



「・・どうすればいいんだろう・・・」



・・・僕は・・」




「・・・どうすれば・・いいのか・・わかんないよ、わかんない・・」







もうその時点であたしの目は涙でいっぱいいっぱいで、もう視界なんて見えなかった。







ただただ子供みたいに「わかんない」ってだだをこねてた。





















、ごめん、泣かないで、ごめん」




「無理だよ・・」



、ホントに、僕は・・」




「無理なんだよ・・・過去形に出来ないもん、「好き」なんだもん、「好きだった」って言うだけで、胸を刺されたみたいに苦しくなる・・・・!!!
レゴラスのせいだよ・・あんたのせいだよ・・・!!!わかんないよぉっ・・・・」




















泣きじゃくって 理不尽な事言って 












彼は何にも悪くないのに。















































彼を悪者に仕立て上げたかった。







彼を悪者にして、この恋を終わらせてしまおうと思った。




































・・・どうすれば、そう思えるって言うんだろう。
















どうしたら、今あたしの身体を強く、強く抱いて優しく髪を撫でてくれている 彼の腕を振りほどいて、


「大嫌い」「最低」 だなんて言えるだろうか。








































言えるはずない。












悪者は・・・・・・あたしだ。
















あたしなんだ・・。























りんご日記 〜つぼみ〜 終わり


























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