ドリィム











りんご日記 ACT.4 〜青い果実〜
















その日、あたしは一度もレゴラスに会わなかった。
















告白して気まずくなった次の日だって会ったのに、その日は何故か、顔すら見なかった。








































?何してんの?そんなとこで」




「ぁ、・・んー今日は、レゴラスと会って無いなぁーと思って」




「・・・・待ってんの?」




「え?や、何てゆぅかぁ〜・・・・うん・・」




「・・・・・そう・・」




「アハ、しつこい女だよね。あたしも。馬鹿みたい。帰るよ、もう」




「・・・・や、待って、違うの!昨日は?昨日は王子と会った?」




「昨日?うーんと・・お昼にすれ違った程度」




「ふーん・・。・・・おとついね、あたし、王子と喋ったんだ」




「へ!??と?レゴが?」




「うん。色々」




「な、何話したの・・・?」




「んー内緒ッ!でも悪いことじゃないよ?」




「・・・・もしかして・・・レゴの心に決めたヒトって・・・あ・・あんただったの・・!?」




「ちっがうよ馬鹿じゃないの!??ンな訳ないじゃん。しかもアレ嘘だし!!」




「へ??嘘?何が」








が瞬時に聞き返すと、はしまった、と口を押さえた。














「や、別に、何でもないけど」




「何さ〜〜嘘って!何の事よぉ〜〜ねぇって〜〜」




「や、そのね?だからぁ・・「心に決めたヒトがいる」っちゅうんは、嘘・・・って。いう・・」




「ー・・・・・」




「・・・・・?」




「・・・・・嘘・・・だったんだぁ」




「・・う、うん・・・」




「って事・はァ・・・あたしって、もうアウトオブ眼中だったって事?」




「え?何で」




「だって、別に好きな人もいない。なのにあたしはフラれた。イコール・・・やっぱりアウトオブ眼中じゃん!!!!」




「もぉ〜〜〜〜違うノォ!!!そうでなくて〜〜〜〜っっっ」




「別にそんなの・・分かってた事だけどさ」




「ちょっと、一人で被害妄想膨らまさないでよ!!いい?アンタと王子は、上手くいくよ。絶対。絶対」




「何でそんな事言えるのさ〜〜〜」




「とにかく言えるの!!」




「テキトーな事言わないでよ〜〜もーあたし大丈夫だしさ。ね?慰めてくれなくていいよ」




「もーーーーッいいわよ!じゃぁずっとそう思ってなさい!!その内絶対あんた、あたしに嬉しくて泣きついてくるんだから」
























は何故かプリプリ怒りながら立ち上がると、さっさとあたしを置いて歩き出してしまった。
























もうあんだけハッキリフラれてて、しかもアウトオブ眼中だった、ってのに。上手くいくわけないのに・・変な








































あたしは溜め息をついて、もう帰ろうかな、と思いながら立ち上がった。








































すると 向こうの森奥からエルフの女の人の高い笑い声が聞こえたので、あたしはふとそっちを見た。











その瞬間、あたしはもう一度、ハァと溜め息をついた。





























女の人の隣に見えたのは、まぎれもなくレゴラスだった。






















女の人は、よくは覚えてないけど、多分違う森のお姫様だったと思う。よく、レゴラスに会いに来てたから知ってる。









腕を回しながら、ずっと笑っているその「お姫様」と「王子様」を交互に見ながらあぁ、アレがいわゆる「お似合いカップル」、

ってゆうモンなんだろうな、とうつろに思った。
































の嘘つき。なぁーにが「上手くいく」よ、大沈没だよ・・・
















































「それで、レゴラス様、そろそろご結婚をお考えの時期でしょう?」




「え・・・あぁ、そうですね」




「誰か、候補の方とかがいらっしゃるのかしら?レゴラス様はおモテになるから。フフフっ」




「あー・・はぁ、そうですね・・」




「あら、まだお決めでないんですの?んー・・やっぱり、結婚となると一国の姫でないとダメですものねぇ」




「や・・どうなんでしょう・・」




「一国の姫、といいいますと、まだ結婚してない方少ないでしょう?まぁ、私もその内の一人なんですけど。お恥ずかしい話で」




「はぁ・・・いやでも、僕は・・・・あ、」




「え?」




・・」































レゴラスとその女の人が目の前まで来た時、あたしは何となく立ち去りづらくて、そのまま座り込んでいた。
































「・・・何してんの、一人?」




「うん・・・」




「レゴラス様、この方は?」




「おっ、幼なじみです!ただの!」
















レゴラスが何かを言おうとする前に、あたしは慌ててそう叫んだ。








レゴラスはただ黙って、驚いた表情であたしを見つめている。




女の人も、何とも言えない表情で、あたしとレゴラスを見比べていた。




















「あ、あぁ、幼なじみ・・。そうなんですの?レゴラス様・・」




「そうなんです、そうです!ハイ、ごめんなさい、あたし邪魔ですねっ・・もう行きます」




「え、そんな、え、レゴラス様よろしいんですの?」




「じゃぁ、ごめんね、あたし、行くっ・・じゃぁねレゴラス!」






「大切な人です」







































「・・・・・え・・・?」



















「大切な、ヒトです」








「レゴ・・・何言って・・・・」












「すいませんが姫、ここで失礼します。、行くよ」






「ちょっ・・待ってよ、レゴッッ!」




「レゴラス様!?」




























レゴラスはあたしの腕をつかむと、バッと走り出した。











あたしはただただ目を丸くしながら、背中に女の人の声を浴びながら、必死で走った。




























「レゴッ!待ってってば!何!?」
















あたしがそう言って腕をひっぱり戻すと、レゴラスは立ち止まって、あたしを振り返った。
































「・・・・・




「な、何」




「・・・・・・・告白とか、したことないし、どう言えばいいのか分からないけど」




「・・へ?何言って・・・」




「"ずっと好きでした"なんて言ったって、何も伝わらない気もするし」




「・・・・レゴ?」




「・・・かと言って、「愛してる」って言うのもどうかと思うし」




「はぁ??だから!さっきから何言ってんのレゴラス!!意味わかんな・・」













「・・・・・・抱きしめていい?」












「・・・・・へ・・・・・?」
































そうあたしがポカンとレゴラスを見つめ直したと同時に、レゴラスはあたしを引き寄せて、強く抱きしめた。







あたしはだたされるがままに、フラリとレゴラスの胸に入ってしまう。









































「ごめん、・・いっぱい傷つけて、ごめん・・」




「レゴラス・・?!」




















あたしは彼の胸から響く声を聞きながら、何が何だか分からずただオロオロしていた。
































「ねぇ、レゴラスどうしたの!?変だよ」




「いいから黙って聞いて




「は、はい」




「あんだけ傷つけて、許してくれなんて言わない・・けど」




「・・・・・けど?」




「許してくれなくてもいいから・・・一個だけお願いしてもいいかな・・」




「・・え、な・・・何・・・」




















あたしが口ごもると、レゴラスはゆっくりとあたしを離し、静かに微笑んだ後、こう言った。
























































「僕と、結婚してください」




































































青い果実が実りだす頃ー・・
























あたしは、至福の中にいました。










































りんご日記 〜青い果実〜 終わり
























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